▲ある日の夕飯のメインディッシュ。下は盛りつけ前のショウガ焼き
明秀日立高「明高館」 寮のご飯
高萩市石滝の「明高館」は、日立市神峰町の明秀日立高校の男子寮。そこで暮らすのは、野球部の全部員と、サッカー部と卓球部の大半の総勢160人。彼らの3食分の「力めし」をつくるのは、10人のスタッフ。寮生たちの一番身近な応援団、“明秀のかあちゃん”たちだ。
同校の野球部が春の甲子園で3回戦に進出したことは記憶に新しい。サッカー部も昨年末からの全国大会に出場、8強に進む快挙を成し遂げた。男子卓球部も高校総体5年連続出場を目指す強豪だ。
スタッフの森やす子さん(63)は、寮生たちの見事な食べっぷりについて誇らしげ。野球部は毎夕食で、1人1キロ分のご飯を食べるという。白米に置き換えると3合ほどの量。ラーメンどんぶりに山盛りだ。
食事の開始時間は、練習や試合のスケジュールなどで変わり、対応するスタッフたちも団体競技さながらのチームワークで対応する。そんな中でも寮生たちは遠慮がない。「おばちゃん、おにぎりちょうだい」「シャケを入れて」・・・。3食以外に、毎日50個前後のおにぎりを握るという。
寮生たちの高校生活には、いろいろな場面がある。けがをして悲観してしまうこと、遠方から入学してホームシックに押しつぶされそうになること。スタッフらはいつも、知恵を寄せ合って対応する。「私たちは笑顔でいようね」「彼の好物を出してあげようよ」
インフルエンザなどで個室で過ごす寮生がいると、コーチから弁当を用意するよう依頼が入る。そんなときスタッフらは、愛のある“スタンドプレー”をする。ウイルスを広めないよう細心の注意を払いながら、温かいうどんや、おかゆを届けるのだ。
▲野球部用の1キロご飯を持つ森さん。下はある日の弁当
