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タウンニュースARTICLE 一面記事

2018年8月23日号

ロックの季節は終わらない

▲乗りの良いロックを演奏するクライマッド


高校生ロックバンド クライマッド〈水戸〉


 8月上旬。水戸市の音楽スタジオに顔をそろえた高校生ロックバンド「クライマッド」のメンバーは、勢いある演奏を続けた。ボーカルとギター担当、岡部俊佑君(水戸商高3年)は間奏に入ると、目の前に観客がいるかのように叫んだ。「ひたちなか、行くぞ!」―。だが、2日後に予定されていたひたちなか市のステージには、もう立てないことが決まっていた。
 ひたちなか市のステージとは、同市の国営ひたち海浜公園で開催予定だったライブイベント「ティーンズロック」。同イベントは同公園で開催される日本最大級のロックフェス「ロックインジャパン」に近い日程で毎年開催されるもの。ステージはロックインジャパンでトップミュージシャンたちが使うものと同じ。観客の数もロックインジャパンさながらだ。出演するのは、厳しい審査を経た全国の高校生バンドで、クライマッドにとっては、2年前の結成当時から、ずっと夢見てきたステージだった。
 それが先の台風13号で中止になった。中止決定後、メンバーが、最初に顔を合わせたのがスタジオだった。ティーンズロックの最終仕上げをするために予約していた。
 そこでは、意外な感情が生まれたという。「同じ悔しさを抱えて、心が一つになった」とは、ドラム担当の根本祥希君(同)。ギター担当の田山翔梧君(水戸一高1年)は、「メンバーと音を出せるだけで幸せ」、ベース担当の風見莉々香さん(緑岡高2年)も、「また目標を探せばいい」と前を向いた。
 最後の曲の演奏を終えると、岡部君が全員を見て言った。「東京のライブハウスに勝負に行かないか?」。根本君が、「それ、乗った」と答えると、残りの2人も大きくうなずいた。













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