▲制作したつるしびなを前にするグループメンバー。右上が山本さん
家老屋敷に集う女性たち(行方)
行方市麻生の麻生藩家老屋敷記念館は、江戸時代に麻生藩の藩士が住んだ屋敷跡。その敷地内にある管理棟の一室で、同記念館も会場になる春の恒例行事「行方の雛(ひな)まつり」で展示するつるしびなの制作が進行している。
手際よく針を運ぶのは、同市と周辺に暮らす女性たち。キャリアが違う4つのグループが、日をかえて活動しているという。今、制作の最盛期を迎えているが、活動は年間を通して行っている。
発起人は、同市の山本保枝さん(63)。記念館で展示を始めたのは、行方の雛まつりが初開催される数年前。「地域の自慢でもある家老屋敷の春を、にぎやかに飾りたかったから」と山本さん。
賛同者は次々に現れた。「女性は、手仕事が好き。そして、つるしびなは、とってもかわいいし」。山本さんが、この活動が続く理由としてもう一つ挙げたのが、みんなで輪になって手仕事をしていると“おしゃべり”が弾んで楽しいからというもの。
「家族のお祝い事や、悩み事もみんなで分かち合えば、日常のすてきな1ページになるものよ」と山本さん。
【メモ】行方の雛まつりは、2月4日〜3月3日に、麻生藩家老屋敷記念館と、市内の観光拠点など各地で開かれる。2月18日は華やかな衣装を着た子どもたちが街を歩く稚児行列も行われる。行方市商工会TEL.0299・72・0520。